何故生物膜処理で,担体上の肥大化した付着物が直ぐに脱落(剥離)するのですか?
(何故MBR膜汚れを抑制できるのですか?)

生物膜処理で頻繁に見られる肥大化付着物(以下付着物)は、担体上に先ず形成される生物膜(basefilm)上に、廃水中の未分解物質と微生物が互いに付着し合って成長することにより形成されると推定されます。
源帰使用開始後数日で大きな固まりが脱落(剥離)し始めます。
実験室での観察から、付着物は薄い生物膜(basefilm)を残して剥がれていくことが分かりました。付着物の構成要素(微生物とSS)間の結合力を弱める作用が働くため、と考えられます。(MBR膜汚れ抑制も同様な機構で考えられます)

生物膜処理で担体上の付着物が剥れたら処理能力が落ちませんか?

処理能力が格段に向上します。以下が理由です。
付着物が剥れた後、適切な厚さの生物膜が維持されます。
担体の表面積が最大限に好気性処理に利用され、肥大化付着物の場合のような内部の嫌気化による処理障害が起こりません。